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それでもいつかはまた、君を抱ける日があるだろうと悠長に構えていた。
何と言ってもこの先何十年と共に歩む人なんだと。
長い人生なんだから今は別に無理に歩み寄る必要なんてない。
擦り寄る必要も、努力も。私は王だ。
何よりプライドが許さない。
それに、若い自分らはこれからだって何度も歩み寄るチャンスがあるのだから。
飽きるほど。
お互い手がシワだらけになるまで夫婦でいるのだと思っていた。
でも……だから。
こんな風に終わるのなら。
もっとたくさん話をすればよかった。
共にしたいことをすれば良かった。
子供は作らなくて正解だった。
だってこんな風に終わるのなら、残された子供にはきっと残酷な結末しかなかっただろうから。
時間は無限にあると思っていたから。
こんな風に奪われてしまうなら。
もっと。
もっと。ちゃんと。
君を愛せば良かった。この革命の夜までの間に。
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