episode2-1.今度の人生では幸せに

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 程よい広さの木製の陳列棚に、焼きたてのパンが所狭しと並べられている。  それをルイが唸りながら隈なく物色する。  着ている服はブルーのワンピースに白のフリルつき。  ルイは近所のフルーツ店の娘だ。お針子の仕事をしている。  ちなみに私が着ているこの、色違いのクリーム色のワンピースにお店の白くてファンシーなエプロンは、ルイにお願いして作って貰ったものだ。  とにかく可愛いて一番のお気に入り。  平民の格好は大体似たようなものだけど、親友が裁縫が得意で本当によかった。  「今日のおすすめはどれ?」  と、ルイが真剣にパンを物色している。  「んーそうね、今日はコレかな。  シナモンパンと胡桃ロール。あ、この苺パンは久しぶりの新作よ。  ルイの実家で手に入れた苺をジャムにして生地に練り込んだの。」  「うわ、おいしそう〜…!!!うーん、選べない!!!はっきり言って全部買い占めたい!」  「ふふ、もう、ルイってば。  また朝から食べ過ぎだっておばさんに怒られちゃうわよ?」  「確かに…くうぅ、あー!もう!お母さんってどうしてあんなに口煩いんだろう!   ちょっとくらい娘がぽっちゃりしたって別にいいじゃない!ねえ?」  確かにルイの母親は豪快で、ちょっと厳しい人だ。  怒られるところを思い出したのか、ルイは悔しそうに地団駄を踏む。  毎回の事なんだけど、その様子が可笑しくて私はクスクスと笑った。    そうしてるうちに朝早いにも関わらず近所の常連達が、パンの匂いに釣られてぞろぞろと店に集まってきた。
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