episode2-1.今度の人生では幸せに

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 *  客が落ち着き、店内は静かになった。  ルイとテディーは店内にある小さなフードコートで呑気にパンを食べたり、紅茶を飲んでたりしてる。いつもの見慣れた光景。    「あ。山の頂きが薄暗くなってきた。今にも雨が降り出しそうね。」  散々テディーを揶揄って楽しんだルイが、東側の裸の山を指差した。  数ヶ月前に雨による災害が起きて地滑りが起こり、岩肌が剥き出しになった山。  確かに。  今にも雨が降り出しそうな空だった。  「あ、そうだった。  私午後から養蜂場に蜂蜜を受け取りに行くつもりだったの。この後2人はどうする?」    「そう?なら私は帰るわ。今日仕事は休みだし、それにパンも大量に買ったし!」  「まだ食うのかよ。…まあ、僕も一回家で寝てからまた、取材しようかな。」    「そっか。二人とも気をつけて帰ってね。」  二人を見送り、私は奥でパン生地をこねてる両親に接客を任せ、傘とレインコートを準備して数キロ先にある養蜂場に向かった。  真っ黒な雲が広がる。  ルイの予想通り、山頂付近では大粒の雨が降り始めていた。
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