ニゲラの花の、光みたいな

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 わたしは、光を描くんだ。  絵筆を強く握りしめる。鼻の奥までツンとすべりこんでくる、油絵具の匂い。石油に似たような、きつい匂いは指先にもエプロンにも染みこんでいた。    たぶん、わたしの匂い。  わたしの魂を取り出したら、きっとこの匂いがすると信じてる。  わたしのすべて。  わたしが存在するという証明のような。  でもきっと、これが最後の一枚になる。わかってる。だからこそ。  
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