同期に感謝を

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「いつも主人がお世話になっています〜」 !!!!!!!!!!! いつも主人がお世話になっています、って言った?いま?言った?主人って誰、誰の事??? よく使われる言い方だ。 けどそれを自分の彼氏と仲がよさそうに見える女性が言うと急に理解できなくなる。 北村くんがすぐにこたえる。 「田代課長、ご家族でBBQだったんですね、お邪魔してすいませんでした」 「いえいえ、いいですよ。」 きれいな女性が笑って答える。彼女の膝の上の女の子が誠さんへ抱っこをねだるように両手を伸ばす。 誠さんは一言も発さない。 「今日は私の親族とみんなでBBQで。今度妹が結婚するので顔合わせも兼ねて集まっていたんですよ。」 娘さんを誠さんに渡しながらきれいな女性が答える。 他にも課長と年が近い男女が一緒にいた。 「美男美女ばかりですね」 と佳織がいうと 「いやぁ、みなさんこそ。」 と田代課長の奥さんはかわいく笑った。 きれいな人だ、そのうえかわいい。そのうえこどももいる。娘さんを誠さんへ渡すときに、おなかが大きいようにも見えた… しっかり見た。見てしまった。 途中から何も聞こえなかった。 いや、聞こえていたけど、耳から入って反対からす~って抜けていっていた。 ちょっとちょっとちょっと、待って。 あれは誠さん。誠さんだよね。 先週の金曜日の夜も私の部屋に来ていた。 私のこと好きだと言ってた。 今朝も同期会に行くとメッセージ送ったら、楽しんできて、と返事が来ていた。 あれって誠さんに見えるけど、別人なのか。 偽物? そんなわけないよね。 混乱してきた。 金曜日に来ていたほうが偽物なのか。 いや、それも違う。
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