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「あ、あれ…」
涼がレストランの窓の外を小さく指さした。
視線の先には、7月の照りつける日差しの下、ジャケットを手にして、営業部の田代 誠課長が私たちの同期の北村 真治くん、広瀬 顕人くんと難しい顔をして話しながら歩いている。会社に戻るところなのかな、久しぶりに見た。
3人はこちらに気づくことなく、窓の外を通り過ぎて行った。
田代課長は…
私が半年間彼氏だと思っていた人。
今まで出会った中で一番大人な彼氏だと浮かれていた私。
彼氏彼女じゃなかったと気づいたのは今年の3月の同期会の時だった。
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