88人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
「俺達もアラサーどころか、
“アラmidnight”だから
一人くらいはアテになる
子供がいるほうが助かる」
「あら?うちの子が
裕樹の老後まで看るの?」
「親が六人もいたら
煩くて敵わない」
そう言う鈴子の家は
身内が多く、しかも
高齢化で面倒事も
口出しも多かった。
「自由に産んだのだから
人生は自由にしてあげなきゃ」
「鈴子も自由にしてるじゃん」
裕樹の笑いに
いつもなら軽口が飛ぶ鈴子が、
一つ間を開けて
「なかなか…そうも…ね」
空のジョッキの氷を見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!