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それからまた笑顔になって
「つぎはハイボールいこ!」
空のグラスをあげた。
なんとなく鈴子の様子が
気になりながらも
優子は、鈴子の好きな濃さで
ハイボールを作る。それから
自分の前にあったチーズを
鈴子の皿に乗せた。
「優子は鈴子の好み、
全部覚えてるんだな」
感心する裕樹に
「長い付き合いだし、
家も近いんだ。
そりゃ当たり前だ」
直樹がサクッと答えて
裕樹にボトルを廻す。
「俺の飲むタイミングは
直樹が覚えていてくれてる」
裕樹は親指を立てた。
直樹に代わって
「長い…長い付き合い
…だから…ね」
鈴子はそう言うと
また少し寂しそうに笑った。
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