89人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
「日替わり定食でいい?」
女将が優子を座らせて
茶を淹れた。
「帰ってくれてセイセイ。
“嫌な客”なのよ、
山田さんったら…。
お茶でウガイはするし
料理が遅れたら怒鳴り散らすし、
最後には、十八番で、」
「俺は検察のエリートだぞ!」
直樹、優子に女将、
馴染みの客が口を揃えて大笑い。
「下調べを上面しか読まない
公判検事なんだよ、アイツは」
知った人間が吐くように言う。
「鈴子が居なくてよかったわ」
「だな、ハハハ、居たら今頃、
山田の脚はへし折られてた」
優子を虐める同級生や年上を
いつもビンタ一発で
倒してきた鈴子は、
優子の“王子さま”だった。
最初のコメントを投稿しよう!