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午後の仕事を片付けて、
同じ上野毛の優子の家で
優子を降ろしてから
直樹が自宅マンションへ
着いたのは夜の九時前。
駐車場でエンジンを
停めたところでLINE 、
【 今、駅前 】
裕樹だった。
【 今帰った、来いよ 】
つい、直樹の指は弾んだ。
そそくさと部屋着に替えて
飲み物の用意をする。
無意識に出る鼻歌、
インターフォンが鳴って
オートロックを解除すると
「ああ、腹減ったあ、
“隙間バイト”で
延長頼まれて
夕飯食いそびれた」
裕樹の笑顔が飛び込んできて
抱きしめたくなる衝動を
グッと堪える直樹だった。
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