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「今日は何のバイトだった?」 「イタ飯屋の皿洗い。  でも、ヘルプでサラダを  作ったらフライパンを  渡されちまって」 「そりゃそうだわ」 裕樹の家は都内で  有名なフレンチ店だった。 子供達が学業を終えたのを機に 父方の故郷で洋食屋を開業、 そこでも評判を得て、 地元野菜をアピールする店として わずか数年で有名に。 そんなDNAをひく裕樹である、 中学生時分から 料理は得意中の得意。 むろん調理師の免許も。 「キャベツに、ベーコンか…  焼きそば裕樹Specialに    するかな」 勝手知ったる台所に立つ裕樹の 背中が愛おしい直樹。 つい眺めていると 「“優子のKitchen”に  いるからって優子のつもりで  見つめるなよぉ、俺は  “ヌードエプロン”なんて  出来ねーぜ、ハハハ」 「ば、馬鹿野郎っ!  誰が裸でエプロンなんか」  
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