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なんと言っても三十半ば、
交際相手が皆無でなかった裕樹。
ただ、相手が結婚を
意識したくとも定職がない。
また、仕事の傍らに
ものを書ける裕樹でない。
そのくせ、人並み以上の
容姿であるが故に
女が向こうから寄ってくる。
そのたびに直樹は
居たたまれぬ気持ちに
苛まれたけれど…
(カノジョは裕樹の
“相手”にはなれない)
頭の芯で思っていた女ばかり。
だからと言って…
(僕が隣には座れない)
そんなことは
先刻承知の我が身が
悲しい直樹は、
今夜も夜明けまで
“友”として…
裕樹と語らうだった。
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