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「ずいぶん“生真面目”な…」
「それもあるけど…
先輩は子煩悩な人だから
自分の子供は欲しいと
ずっと願ってきただろうし…」
「し?なんだ?」
「菜々子を憎からず
好いと思ってたんだろう、
“浮気”の出来る人でない」
そうなると…
その仲が公認となると
太一は完敗退去以外ない…。
子供の父親が不明なままなら
傍らに寄り添い続けることは
可能であるのだけれど。
「さて…菜々子に
どういうべきか?
いっそ優子や鈴子に
相談して助けて貰うか」
「悩みどころだな…」
あやふやな二人の前に
ただ、薄くなる水割りが
グラスを泣かせていた。
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