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「遅い遅い!」
ドアを開けたら
裕樹の声と笑顔、
直樹は仕事の疲れが
一気に吹き飛んで……
ほんとに…無意識に…ぽろりと
笑みが溢れた。けれども
「なんだ、まだ集合から
30分しか経たないのに
もう2杯目かい?」
その緩んだ頬を
わざと引き締めて
無表情に、素っ気無い程にいう。
「直樹とは一杯目だ。
ほら、かんぱーい!」
早速グラスにビールを
注いでグラスをカチン。
対照的に陽気な気性を
燦々と振り撒く裕樹。
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