86人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい!おーお疲れしたー。
今日も忙しかっただろ?
無事に店は終わった?」
優しい口調の裕樹に
満面の笑みがひらがったのを
直樹は横目で……。
「ああ!うんうん!
やっぱ今日も売れたか
ガーリックパスタ!
あれはパン代わりに
メインが進むんだ…
それに…」
(親父さんの店の人だろうか…)
直樹が気にかかるくらいに
裕樹は浮かれていた。
(書物以外でアイツが
あんなに楽しそうに
するなんて…)
少し気詰まりを感じたのか、
「ありがとう。
また明日俺から
電話するよ」
裕樹はスマホを置いて…
まるで“浮気相手”からの
電話ででもあったかのように
「さあ、飯!飯!
朝までやろうぜ!」
わざと陽気にグラスを空けた。
最初のコメントを投稿しよう!