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電話の相手が、 裕樹の父親の店に長らく 父親の弟子のようにして 勤めている人だと 直樹が知ったのは ボトル半分くらいになったころ。 「なかなかの腕前さ、  ソースの感覚がいい!  三つ星hotelだって  “彼女”なら務まる」 (女性…なのか…) さらりと流れた“彼女”…。 別段、美人であるとか 性格がどうとか、裕樹が 語るわけでもない…。 ただ、饒舌に“彼女”を褒める。 けれども、それが、直樹の中に ガラスの破片を 軽く踏んだような違和感を    ・・・・・残していた。
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