86人が本棚に入れています
本棚に追加
無言で俯く藤川に
「御家庭があるなら
それが一番良いのでは?
僕らの友人(菜々子)は
後々になって“認知”だの
厄介は言い出しませんよ」
直樹は言った。
「…結婚して長らく…
身体が弱いながらも
良く出来た妻ですから…
なんの不満もなくやって…
きたはきたのですが…」
苦悩を浮かべながら
藤川は続けた。
「僕も…“解ったような”
口をききながらも…
所詮は“男”…。可愛いと
思う女性が現れてしまう…。
ましてや彼女が僕の子供を、
しかも黙って産んだとなれば
より愛しくなるのが…いや…
妻には『要らない』と言いながら
子供を望んでいた自分を…
無視出来ないというか…
まったく…巧く説明が…」
最初のコメントを投稿しよう!