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「いやん、この本、凄く
いいじゃん！泣けるー」
裕樹持参の流行本を肴に、
カウンターでちょい呑みの鈴子。
「相変わらず本の虫ね」
笑う優子の隣に移動した鈴子は
「読書は人間を育てるよー！」
ウンウンと何度も頷いて
チューハイ半分をグビといった。
「それ以上育ってどうすんだよ？
働きもしないのに」
「“家事手伝い”という
立派な職業。裕樹こそ
また塾講師辞めたじゃん！」
「俺は春の新人賞へ向けて
原稿と一心同体さ」
負けずに裕樹も
チューハイを一気に飲み！
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