2.身近な存在

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2.身近な存在

「おはよう!昨日の配信どうだった!?」 友人が教室に入ってきたばかりの私を見つけるなり、走って駆け寄ってきた。 "見といてよかったー" その友人の姿を見て私は心の底から思った。 「面白かったよー!特に最近行ったラーメン屋さんの話がさぁ…」 と一通り友人に昨日の配信で見た感想を話した。 「お陰で全然勉強できなかったよー」 「それはごめんねー。でも私がオススメしたのわかるでしょ?」 「うん!なんかさ、すごく身近に感じたんだよねー。本当に友達みたいでさぁ。あんなにいっぱい人が見に来てるのに丁寧にコメントとか拾っててさぁ。すごいね!」 そう、私は白狐レイのことをとても身近な存在として配信を見ていたのだ。 画面の向こうにいる彼女とは会ったこともなく、そしてこちらの声は聞こえないはずなのにまるで友達の話しを聞いているような感覚だった。 「そうなんだよねー。コメント打ってそれ読んでもらえたりして話してくれるとそれも嬉しいんだよねー」 「今度私もコメント打ってみよう!」 そんな決意をすると同時に始業のチャイムが鳴った。 数日後の午後9時、白狐レイの配信がはじまった。 今日は待ちに待った雑談配信の日だ。この数日は彼女の配信やアーカイブを見漁ってたが、コメントを打つなら雑談配信だと決めていた。 「こんばんはー!Vライバーの白狐レイです!みんな元気?こんこん!」 もう何度も聞き慣れた挨拶だ。 そして配信も30分くらい経ったところで思い切ってコメントを打ってみた。 「はじめてコメントします!いつも応援してます!」 何故かとても緊張していた。 そして自分のコメントが配信画面に映し出されると。 「応援してくれてありがとうー!ミルクちゃん?いつも見てくれてるのかな?」 ミルクは私のアカウント名だ。我ながら安直だったとは思うが、今はそれどころじゃない… 「やった!読まれた!えっと…」 早く答えなきゃと思い、コメントを打つ。 「配信もアーカイブもみてまふ」 誤字のまま送ってしまった… 「うんうん。いつもみてまふ…。ありがとうね!誤字可愛いよ!」 嬉しさと恥ずかしさで顔が赤くなるのがわかった。
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