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7.「白井ミルクです!」
「ねぇ、名前どうするの?」
「えっ!?名前?」
突然の友人の質問に私は驚きを隠せなかった。
「Vライバーとしての名前だよ。まさか本名でやる気なの?それはやめといたほうが良いと思うよ。身バレとかあるし。」
私は「まぁ、確かに」と思いつつ考え込んだ。
「そうだなぁ、名前かぁ。うーん。ミルク……?」
私は普段、ゲームなどのアカウントを作る時に使う名前を呟いた。
「そういえば配信見るときのアカウントもミルクだったもんねー。じゃあ白井ミルクってどう?」
「『白いミルク』?ってこと?」
私は友人の提案に疑問をぶつけた。
「そうそう。わかりやすいでしょ?駄目かな?」
少し考えたが、他に候補が浮かぶこともなく、なにより普段使い慣れている名前ということもあったので友人の提案を採用することにした。
「白井ミルクね。よし!それでいこう!それで他にどうしたらいいの?もう配信するの?」
私は「遂に配信するのか」と緊張していると
「それもいいけど、さっきも言ったみたいによほど有名な人じゃない限り見に来てくれる人って少ないの。だから少し宣伝しよう。SNSってやってる?」
そんな友人の冷静な提案が飛んできた。
「そっかそっか。一人でもいいから人は来てほしいもんね。SNSはやってないなぁ。」
「じゃあそっちのアカウントも作っちゃおう。名前はもちろん『白井ミルク』ね!それで配信日告知して白井ミルクのことをしってもらおうよ!」
そう言うと友人は私にオススメのアプリを教え、アカウントを作った。
「初めての配信日はいつにする!?」
「そうだなぁ。じゃあ明後日の金曜日の夜……8時くらいにしようかな。次の日休みだし。」
「わかった。じゃあ早速投稿しよう。『はじめまして!白井ミルクです。今週金曜日、20時から初配信するので遊びに来てくださいね!チャンネルは下のURLから!』よし!投稿しちゃうね。」
と、少し軽い感じで『白井ミルク』の活動は始まった。
『じゃああとは配信枠立てて、説明入力して、サムネイル作ればオッケーだね!』
私は友人から聞く初めての単語にポカンとしてしまった。それを見て友人は「ごめんごめん」と言いながらゆっくりと説明してくれた。
「配信枠っていうのは『この時間にここで配信するよー』って言う…予約みたいなもの。説明っていうのは配信のタイトルとか配信内容の説明、それとリスナーさんへのお願い。まぁ見るときのルールとかかな。サムネイルは配信の看板画像でリスナーさんはそれを見て見に来てくれるんだよ。要するに本の表紙みたいなもんだよ。」
「やること多いんだね。知らなかった。」
私は配信者がこれだけの作業をこなしてるということに感心していると友人は
「感心している場合じゃないよ。これからやっていかなくちゃいけないんだならね!『白井ミルク』さん!最初だから一緒に作っていくよ。」
と友人は私の手を引いてまたパソコンの方へ向かった。
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