第六話『どんな過去でも信じてるから』

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第六話『どんな過去でも信じてるから』

「え?星河…?」「ごめん…ごめんね…」「え?どうしたの?あ…私達が星河の気持ちも知らずに、考察とかし始めるから…?そうだとしたら…こっちがごめん」「違う…違うの…全部私のせいだから…(泣)」「何…?どうしたの?なにかあるなら話してよ…」「大丈夫…なにも…なにもないの…(泣)」「なにもないわけないじゃん!親友なんだから…話してよ…」「親友でも…話したくないことぐらいあるでしょ…」「そうだけどさ…」「星河が話したくないなら、別にいいけどさ…星河がもし…私達のことを信じてくれてるのなら、話してほしい。私は…私達は…どんなことでも受け止める準備はできてる」「うん…!!」「分かった…私はあなた達のことはセカイで一番…信じてるから…」「うん…!!」 「単刀直入に言うとね…私はあのおじさんと知り合いだったの」 「え…?」「まぁ、今から詳しいことは説明するね…」 ーーこれは私が中学生だったころの話ーー 私…『豊田星河』は今日も一人帰り道を歩いている。 自分の気持ちに素直になれないだけなのに…みんなからさけられている。 もちろん、友達なんぞ一人もいない。 そんなある時…一人の30〜40代ぐらいのおじさんが話しかけてきた。 「大丈夫か?」(大丈夫?何言ってるのこの人…もしかして…不審者!?)「あ、あの…なんのようですか?不審者なら…」「ふ、不審者じゃないって!ただたんに…一人でなにかを考えてる様子だったから…大丈夫かな…っと…」「あ、大丈夫なんで。では。」 ボトッ📖 「あ…!」「ん?なんですかこれ?」 このノートを手にとった瞬間に私の運命はもう変わっていたのだ。 ペラペラ📖 「えーっと…なにこれ?」「あ…なんでもなんだ!忘れておくれ!」「忘れるもなにも…これがなんだかわからないので。」「これは…幼稚園…小学生の時に思い描いていたもので…これを本当に実現したいと思い…早50年以上…現在進行系で頑張っている…という…」「こんなものを…」「こんな年でこんなことをやっているなんて…みっともない…でも、これがゆういつの楽しみというか…」「みっともないなんて…私はすごいと思いますよ!あ…!私もそれ作るのに協力しますよ!私は…星河です!」「えーっと…静思ね。よろしく…っていうか…ありがとう!!こんなのに、協力してくれる人なんていなかったから…」 それからは早かった。 二人でこの装置をつくることとなり、なんと4年弱で終わってしまったのだ。私達は精一杯喜んだ。 ーーーーーーーーーーーー 「っていうことがあって…」「だから…知り合いとか言ってたのか…」「でも…これじゃあお互いハッピーで終わってない?この後…なにかあったんじゃないの?」「なにかあったとしか思えないよね…泣いてたし…」「そっか…そうだよね…そこも話さないとだよね…」「まぁ、気になるし」 「でも…私は…静思さんの楽しみを壊したんだ。」 ーーーーーーーーーーーー 作り終わって数日…星河は静思と話すことはなくなった。 (はぁ。静思さんともう会えないのか〜。これから…またボッチな生活になるってわけね…) 私は静思さんとの時間が一番楽しかったからとてつもなく悲しかった。 (作り終わって悲しいのならば…そうだ!!こうすれば…また一緒にいられるはず!!) トコトコトコ👣 (おじさんいないかな〜!あ…!静思さん、発見!お!あの機械持ってるぞ…!チャンスだ!)「おじさん!ヤッホ〜!」「あ…!星河ちゃん!最近会えなかったもんだから、寂しくて!」「あっそ。」「え?星河ちゃん?」「あ、それ…」「あ!これ、星河ちゃんと一緒につくったおかげで楽しかったし…早くできてよかった…!ありがとう!!」「…こ、こんなもの作ってバカみたい!!作って…なんになるのw?」「え…?星河…ちゃん…?」「はぁ。ムカつくなぁ」 バンッ🎲 バリンッ🤯 「え…」「あ、壊れちゃったかもねwバイバイ👋」「…」 (これでOK…だよね?次会う時気まずくなりそうだけど…とぼけとけばなんとかなるでしょ!よかった〜これでボッチ生活からぬけだせる〜) でも、そんな甘くはなかった。 静思はいつになっても会いにこないし、家に行ってもいなかった。 そしていつしか無縁の関係になってしまった。 ーー第六話完結ーー最終話へ続くーー
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