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彼の頭をそっと抱え
その下にアイスノンを差し込んだ
「う・・・ん・・・・ 」
まだ眠っている彼がつぶやき布団をどけようとした
優樹菜は優しくなだめた
「熱いのはわかりますがダメですよ・・・・
汗をかくのは良い事ですが脱水防止に
沢山飲んでください」
愛しくてたまらない人が弱っているのを
見て心が痛んだが母性本能も大いにくすぐられた
パジャマを着替えるのを手伝い
汗まみれの背中を拭いてあげた
彼は朦朧とした意識の中優樹菜のされるがままだった
着替えて寒さにふるえる彼の肩まで布団をかけてあげた
「ハイお薬ですよ
あーん・・・・ 」
「・・・・自分で出来るよ・・・」
「だめです!私のいう事を聞いてください」
大人しく優樹菜のいう事を聞いて葉山は優樹菜に
薬を飲ませてもらい
重たそうにしている頭を枕に静め
再び彼は眠りについた
散らかったベッドサイドテーブルをかたずけ
彼に目を向ける
青ざめた肌の上でまつ毛が黒い扇子のように見える
弱ってても彼はハンサムだ
再び身を乗り出してぐっすり眠っている
彼の頬にそっと手を当て熱を計る
頬にあてた親指に規則正しい脈が感じ取れた
さっきよりも柔らかな吐息に指先を撫でられた
よかった・・・・
お薬が効いてきたのね・・・
ホッと優樹菜は安堵した
これならば明日にでも熱は下がるだろう
再び愛しい彼は自分のものになる喜びが体中を駆け巡る
優樹菜は自分も仕事帰りなのに疲れも筋肉の痛みも忘れた
このままこうして
ずっと彼を見つめていたい・・・・
すると突然彼が寝返りを打って
布団を蹴飛ばして一言つぶやいた
「京子・・・・・」
優樹菜はみぞおちを殴られた気持ちになった
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