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「ねぇ・・・そんなにひどい?」
患者が情けなく大きなため息をつく
この若者はまだお酒臭く
左腕全体にタトゥーが入っている
次郎がX線画面から目を離した
「今から4階の整形外科に移ってもらって
そこで処置をしてもらう
そして入院の手続きが必要だな 」
「あーあ・・・・
とんだ災難だよ・・・ 」
患者がぐるりと目を回してうめく
「これに懲りたらもう酔っ払ってベランダから
飛び降りない事ね 」
加奈子も笑って若者に叱咤する
「たまには入院も良いものよお酒も抜けるし」
優樹菜も笑いながらレントゲン写真を蛍光ボード
からはがし大きな封筒の中に入れ
患者が座る車いすの背のポケットに入れた
「誰かに連絡をとらないと
誰に電話する?
ガールフレンドとかお父さんお母さんとか」
優樹菜がポケットからメモを取り出して言う
まだ半分酔っらっているラッパーは顔をしかめた
「飛び降りたのを彼女も見てたから
今こっちに向かっていると思うよ
彼女にだけ電話してよ
お袋なんかに連絡したら
こっぴどく怒られるに決まっているさ 」
優樹菜はクスクス笑った
「わかったわ・・彼女ね
整形外科の処置を受けたら医師の先生達から
きちんと説明をうけてね 」
「あーあ・・・・
今週ユニバに一緒に行く予定だったんだよ
彼女きっとすごく怒っているよ
うちの彼女怒ったらめちゃめちゃ怖いんだよ」
「それじゃ
反対の脚も折られないようにしないとね」
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