chapter6 クロスロード

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抗ウイルス剤と解熱剤が入った点滴を受け 次郎は目を覚まし 病院を早退することになった いくら優秀な彼でも現場にいて ウィルスをまき散らす訳にはいかないからだ 優樹菜は着替えを済ませた彼を タクシーに押し込んで見送った後 ブリジットに電話した 「そうなの・・・だからなるべく感染防止に 子供達を先生に近づかせないでね 手洗いうがいをしっかりして・・・ それと先生が飲んだり食べたりした食器なども 触らないで あとで私が帰ったら洗うから」 「わかった、 ジェスの部屋のドアにガムテープ貼る?」 優樹菜は笑った 「そこまでしなくてもいいわ」   勤務が終わると優樹菜はショッピングモールの ドラッグストアに言って病人を看病する道具を 一式買いそろえた 彼には自分がついていて良かったと心から思った もし自分がいなければ今ごろは彼は無理をして 子供達にも移して大変なことになっていただろう 家に帰ると次郎の部屋は電気が消され 眠っているようだ 優樹菜が買い物袋をさげてリビングに入ると 子供達は元気そうで安心した
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