* シャドー・スイッチ *

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***  相変わらずユイの爆弾発言が気になりボーッとしている私に向けて、ユキトまで爆弾発言を持ち込んでくる。 「まあ、そこがみなみの可愛いところだけどね」 「へ……?」 「何だ、その顔」  ユキトはいつもと変わらない。  まるで何事もなかったかのように平然としている。  だけど、聞き流せるはずがない。  だって、ユキトの言ったフレーズは......恋する乙女は勿論、女の子には魅惑の言葉なのだから。 「何だと言われても……。ユキトがキザなセリフを平気で言うから」 「……キザ? どこが?」 「どこが、って。……本気で言ってる?」 「勿論」  『可愛い』というフレーズが恥ずかしくて言えないなんて、我ながら幼すぎる羞恥心だとは思う。  だけど、ダメージを最小限にしたくて敢えて会話から外してみたけど......。  ユキトの反応を見れば見るほど、敢えて外す方が子供染みて見えるから不思議なものだ。 「昔からみなみは突拍子もないことばかりするからなあ。目が離せないよね、ガチで」 「あ、えっと......。その節は大変お世話になりました」  『ガチ』というフレーズを言うユキトの目が笑っていない。  そして、多大な迷惑と心労を掛けた覆らない事実がユキトにあるとなると......。  行うことは謝罪一択しかないだろう。 「別に謝る必要もないんだけどね。ヤキモキしても無駄だと結構早く悟ったし。そうなったら」 「そうなったら?」 「後は......愛でるしか道はないというか」 「え、え、え……!?」
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