* シャドー・スイッチ *

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「え? なんで、また……」  同じクラスで過ごすユキトも、当然ユイと私の関係を良く知っている。  そんな間柄でどうして嫉妬するのか解せないと言わんばかりの視線を向けてくる。 「ユイのこと、よく知ってるから。よく知ってるから、嫉妬するの。ユイは、私と違って素直な可愛い子だもの。......絶望したくなる日があっていいでしょ?」  最後、何言ってるのか分からなくなりつつ、何とかギリギリの路線で勝負に出る。  恋心だけは絶対に死守すべく会話を繰り広げた。  後はユキトの反応次第なんだけど......。 「うーん......。正直、そう返ってくるとは思わなかった」 「へ?」 「みなみ、実際のところ......。素直になれないことなんて、そんなに困ってないんじゃない?」 「え、何で? 私、困ってるよ???」 「んー。だけど、さ。実のところ、みなみが素直になれなくて困るケースって滅多にないよね? というか、素直じゃないみなみだからこそ調理部の味見役みたいに開かれる道もあるというか......。そんなみなみが素直になれなくて困るとするなら、もうそれは恋愛しかないと思うんだけどね」 「……っ!!」  嘘でしょ!?  ここまで到達するの早すぎる!!  声にならない声をあげて、動揺が顔に出ないように躍起になる。  ......が、どうやら遅かったみたいだ。 「だとすると、みなみから一番かけ離れた議題に......。なんて、カマを掛けているうちに早くも引っ掛かったみたいだね。つまりは、みなみは親友と恋敵になっちゃって悩んでたってことでいいのかな?」
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