死隷

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「運転手さんは、今の仕事に満足してますか?私は満足なんてしてないです。もっと、国内、いや世界情勢を取り扱う記事を書きたいんです。こんな下らない取材なんかしたくないんですよ」 「俺は今の仕事で十分ですよ。年齢も年齢だし、それに、これから日本も戦争へと突入する流れになってくる。そしたら、あんた、仕事どころじゃねーですよ?下手すりゃあ戦地に引っ張られちまう」 「それはそれで私は良いと考えてますよ。戦場で生で見聞きした事を全て記事にしてやるて気持ちですしね」 「あんたも馬鹿だねえ、ごめんそういう意味じゃなくてさ、特別高等警察にでも聞かれたら、たちまち逮捕されちまうような事を平気で言うからさ」 そうこう話すうちにおでん屋が見えてきた。
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