死隷

　「まぁ、とりあえずこの新聞を読んでみろ」

男から手渡された新聞には今年に入って8人目の行方不明者の記事が書かれていた。ただ"怪"という文字が記載され、どこにもなぜ行方不明になったのか、そして、正確な行方不明になった場所は一切記載されてはなかった。

　「これて、全てこの山付近で行方不明になったんですかね？8人はこの道や、この山付近に向かい、全ての者は家に一人も帰ってこなかったとありますが？」

　「そうだ、こいつらはこの道を歩いて、この方向に向かう途中で全て神隠しにあってるんだ。この山付近にはきっと何かある！！どうだ？記者さんよ、興味持ったかぁ？」

「しかし、地元の警察が捜査してるんでしょう？きっとこの山のどこかで山菜が何か採りにいって熊が何かに襲われたんだと思いますよ？」

「そう思うべ？だがなぁ、この辺りで行方不明になってるのはこの8人だけじゃねぇんだ。去年もその前もさらにその前も毎年行方不明になってるんだぁ、けんども警察は一向に事故か事件なのかそれさえもなーんも掴めてねぇんだよ。だがな、俺は真相を知ってるんだよ、こいつらが消えた真相をな」