死隷

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 最初は、怪しい胡散臭いおっさんの戯言だと思って聞いていたが、段々と話を聞いてるうちに俺は、その話に興味を持った。極め付けはその男が持った失踪者の事が記載された新聞だった。  「あなた又六さんて言いましたっけ?その話しをもう少し教えて下さい。今あなたは"真相"を知ってると確かにおっしゃいましたよね?」 「ああ。知ってるさ、あんたが記者だから俺は声をかけたんだ。教えてやるよ。ここじゃ何だから、明日俺の家に来い」 又六さんが言う住所を俺は手帳に書き留めると、後日また会う約束を取り付け、又六さんと別れた。もちろん次の日の東京へ戻る予定は急遽変更した。
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