死隷

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 「この球はな、人の魂の塊みたいなもんなんだよ」 「え?ちょっと言ってる意味がよく分からないんですが?」 「分からないのは当然の事だな。こんな小さな陶器でできた球のような物をいきなり見せられ、これは人間の霊魂だと言われて、はいそうですか。なんて言う人間はいやしねえーもんな」 そう言うと又六さんはさらに立ち上がり、小さな仏壇が置かれてる机の引き出しを開けると、紙で包まれた何かを俺の前に持ってきた。  「こいつを見てけんろ」 又六さんがその包まれた紙を開くと、中には御守りが入っていた。
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