死隷

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 「ああ、今から案内するだぁ。ここから少し歩くから、そんな格好じゃ体が冷えちまうだぁ。これを着ろ」 又六さんはそう言うと、俺に毛皮の厚手の羽織り物を渡した。まだ夏を迎える少し前というのに、こんな暑苦しい物をなんで着ないといけないのかと疑問に感じながらも、このどこか怪しい翁の言う通りにそれを羽織った。  「さぁ、いくだぁ。覚悟はええか?もう二度と戻れねえかもしんねぇぞ?」 「戻れない?どういう事ですか?」 「生きて戻れねえかもしんねえて事さ」
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