死隷

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 又六さんに言われるままに、俺はその村がある場所まで行く事にした。険しい森の中を又六さんは手にした大きなナタで、道を強引に切り開いていく。  「しーっ!!動くんじゃねえぞ」 突然又六さんは俺に屈むように言ってきた。  「あそこさ見えるべ。ほら?よーく見てみろ」 又六さんが指をさす方向を見ると、巨大な野生の猪が二匹何かを食べていた。  「あいつらはこの山を守る主みたいなもんだ。その毛皮着てれば匂いで幾分警戒はしてかねえ、しかし、それでも油断するなよ。あいつら猟銃で撃たれても屁でもねえからな。殺されちまうだぁ。だからしばらく動くなよ」
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