死隷

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 しばらくすると巨大な猪はどこかえ行ってしまった。猪がいなくなったのを完全に確認した又六さんは再び俺を案内しながら、険しい道をナタで切り開きながらさらに奥へ奥へ進んだ。  もうかれこれ1時間以上は歩いたのか、未だに前を、一切話さず黙々と歩き続ける又六さん。俺はもう足腰が痛く少し休みたくなった。都会育ちの俺にとってはこんな未開のジャングルのような場所を20分すら歩くのも苦痛だった。  「あのぅ・・」 「なんだ?村ならまだ先だべや」 嘘だろ。心の中ではもうすぐに着くという答えが返ってくると思ったが、まったくの見当違いだった。その振り向いた又六さんの形相が怖く、休ませてくれとは言えなかった。
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