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「キミも趣味が悪い。何もやり直し『最後の日』を結婚式にしなくても」
「…須藤くん!」
「ご結婚、おめでとうございます」
式場の従業員さんかと思いきや、ちょっと大人になった須藤くんが控室に入ってきた。
「おぉ、ミジェルの結婚式のようですな」
「それ、未亜ちゃんが言った」
「お綺麗ですよ」
「またまた〜。って…やっぱり、タイムリープは須藤くんが?」
「さぁ、何のことだか」
戯けてみせる須藤くん。
私が大変な目にあったのはタイムリープが原因だけど、今日この日を迎えた今、全てがこの日に繋がっていたと思うと許せてしまう。
「『明日』になれば、再スタートですな」
「…うん。初めての、25歳の2月17日」
バレンタインデーの2日後の清掃作業の日を最後に、高校2年生へ戻ってしまったから。
「本当に、明日も25歳ですかな」
須藤くんの言葉に、私は微笑む。
「タイムリープのアイテムは、リモコンではありません。確かに変化が現れるのはリモコンですが、本当はどんなレコーダーでもリモコンでも構わないのです」
「須藤くんが渡したっていうDVDかな?」
「…気がついていたのですか」
「うん。林くんから話を聞いた時、気がついた。多分林くんも、須藤くんとの出来事を思い出した時に気がついた」
「だったら、何故」
「林くんを信じているから」
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