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「編集終わったから上げときましたよ」
「ありがとうアリサ、助かるー!」
いいタイミングで部屋に入ってきたアリサに抱きついて、楽くんの視線から逃げ出す。私の心がもたない。
「甘えん坊ですか?」
よしよしとするふりをして私のおでこをぺちん。
「いい加減動画にも身を入れて欲しいですわ」
アリサの言葉に、息を呑む。身に覚えがありすぎる。楽くんの「頑張ります」宣言から、ずっと楽くんのアプローチを受け続けていて私はもうぐでんぐでんだ。
なのに、付き合うという答えを出せないのは……私が動画に力を入れれなくなってしまったから。楽くんが私の胃袋を掴んだだけでなく、心まで鷲掴みしたせいで。
動画に書き込まれるコメント、見にきてくれるフォロワーが私の原動力になっていたのに。今は、どうしても楽くんを優先させてしまいたくなる。
動画をやめてしまえばいい。そうも思った。でも、それはきっと楽くんが好きになった私じゃない。とか、もう基準が全部楽くんになってる。こんなの恋というよりもはや、呪い。ってか、依存?
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