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言い淀む楽くんのパーカーをアリサがずいっと掴む。楽くんはバサッと落とされたパーカーに慌てて手を伸ばすが、アリサがそれを許さなかった。
「あー、やっぱり」
「なにがやっぱり?」
「え、アイちゃん分からないの?」
信じられないと言わんばかりの顔で、私を見つめるアリサ。むーっと楽くんの顔を眺めても、よく分からない。
「アイちゃんのストーカーでもしてる?」
「はっ? ないでしょ」
「してないです。アイさんのことは好きですけど、ストーカーとか、困らせるようなことはしてるつもりはありません! コメントだって、アイさんがなんかこう」
言い訳をツラツラと重ねていくが、よくわかんない。
「待って待って、アリサまとめて説明してよ」
「コメントの件はわからないけど。大学の学食でも見たし、私たちがよく行くランチのお店にもよく居るよ、この子」
「同じ大学の学生なんですから、当たり前じゃないですか! 学部だって一緒です!」
楽くんの口から出る事実に首を捻る。学部が同じであれば取ってる講義も被ってるだろう。あんまり、記憶にないな。
「何学部?」
「まだ疑ってるならこれ見てください、はい、同じ学部でしょ」
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