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差し出された学生証は確かに見覚えのあるものだ。学部名まで私たちのものと一緒。嘘はついていないということだ。
「ふぅーん、で、アイのことが好きだからあんなコメントしたの?」
「そう、です。アンチと思われてるとは思わなかったですけど。だって、アイさんいつもは幸せそうな顔で食べてるのに。なんかあの時は、作り笑顔というか」
「楽くんも配信してる? 声も聞き覚えある気がするのよね私」
私は置いてけぼりを食らってアリサは、根掘り葉掘り楽くんに質問をぶつける。アリサの表情を見てる限りは、きっと楽しんでる楽くんをイジることを。
楽くん、どんまい。アリサは、意外にSっ気が強いから。
「あのお菓子とか作ってるやつは……ありますけど……」
「いいじゃない。アイ! この子とコラボ配信しましょう」
「へ?」
私と楽くんの言葉が重なる。アリサは返答を聞くつもりもなく、サラサラとノートに企画を書き出している。こうなったアリサは私には止められない。
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