未知の世

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「この星は安全そうだ…… しばらく逗留したいと思っているがどうだろうか?」 「だが早く地球を見つけないとゲノムが……」 魔女たちの好意により安寧の時間を手に入れた方舟はここで全ての問題を片付けることを決める。 まずは宇宙航行や様々な星々によって傷ついた方舟の修復だった。 カルベとラルによって修復が進められる。 タリスの主導の下、方舟が抱える問題を解決するための会議が開かれる。 ビルはアレキを護衛するために室内に籠り、屋外ではラル、カルベが作業をする。 記憶操作されているヴェールの民であるミカ達は魔女たちと遊んでいた。 キサラギ、リーネ、タリス、アリウス、ガッシ、リジ、ラピス、キー坊が参加する。 最初期の面々が多いこともあり会議は遠慮なく行われる。 「ゲノムのことが気になるのは分かる。 しかし焦って行動しても地球にたどり着けるかどうかだ」 「私はまだ信じられない…… ゲノムがそんなことになっているなんて」 現実を受け入れられないアリウスは未だゲノムの惨劇に懐疑的だった。 「君達の星にも問題があることはラルから聞いた。 私に出来ることなら何でも言ってくれ」 「僕も協力します」 異なる種であるキー坊、ラピスももはや人類と運命を共にする存在だった。 二人は人類の選択に従うと告げる。 「ありがたいことだ…… 宇宙には様々な種族がいる。 でもこうして向き合うことが出来る」 会議の議題はこれからの行動指針と現状把握に移る。 「方舟に貯蔵されている食料についてです。 地球到着までどれほどの歳月がかかるか分からないため、正確なことは言えませんが…… ゲノム出立時より半分以下になっています」 「ゲノムから持ってきた食料には安全性がある。 しかし長期になれば出先での調達も必要になってくる」 「だが王星での件もある。 正直他の星で食料は危険がある」 「だけどもペガサスの肉のように有益な物もある。 一概に否定してはいけない」 「植物などに分類されるものならば私の異能で確認できる」 「だが私達の概念が常に当てはまると限らない」 食料に関しては臨機応変に対応する。 そう見送ることしか出来なかった。 「次の議題だが、虹のジュエリアスについてだ。 彼女は転生中とのことだが回復の見込みはあるのか?」 「アレキは間違いなく転生を成功させる。 私が断言する」 キサラギとラピスによってアレキの転生は断言される。 「アレキが力を取り戻すことが出来れば…… アリバルとタジローが生き返るかもしれない」 「二人が戻ってくれれば本当に嬉しいぜ」 次に議題に上がったのは方舟内部の違和感についてだった。
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