再会

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(星夜side. )  AM5:55。  この時間に目が覚めた。  少し早い、二度寝しようか考えたけど起きることにした。  カーテンを開けると天使の梯子と虹がみえるというミラクルな景色が広がり、目の前にある桜の木ではクモが網を張っていた。  ふとカレンダーをみると大安と書かれており、その横には四葉のクローバーの栞が落ちていた。  なんだ? なんだ?  今日は朝からミラクルの連続。  これは何かが起きる暗示なのか?  天気予報をみようとテレビをつける。  天気予報は晴れのち雪。  ん? 聞き間違いかな? 雪って言った?  もう一度、天気予報を確認するとやはり雪が降るらしい。  確かに寒い気がするけど。  桜の花と雪が一緒に見られるミラクルが起きる!  今日はミラクルdayだ! そうに違いない!  そう思った瞬間に、体がみなとみらいの街へと向かっていた。    キミの目撃情報があったみなとみらいの公園に着いた瞬間、頬に冷たい水滴が触れた。  空を見上げるとユラユラと小さな天使たちが舞い降りて来た。  天使たちはワイワイと楽しげに走り回りながら地面を真っ白な絨毯に染めていく。  今日はこの時期にしてはとても寒い。  時季外れだけどダウンコートを着て、マフラーに手袋をして真冬のような恰好をしていった。  だって、きっとキミは薄着の春の格好をしていると思ったから。  キミは感覚障害で温度や痛みに鈍感だったりする。  普通の人が寒いという感覚を持っていなかったりする。  だから僕が温めてあげようなんて。  そんなことを思っていた。    時計がお昼の12時を過ぎたがこの寒さと雪では誰一人として公園で座ってランチをしようとは思わないだろう。  キミも来るかなんてわからない。  でも今日は朝からミラクルが起きる予感しかない!  そう思っていると、桜色のふわふわロングヘアの女性が楽しそうに雪の上に足跡をつけていた。  その女性は普通に足跡をつけるのが退屈になったのかピョンピョンとジャンプをはじめた。  ブーツでこの雪の上を飛ぶなんて。と思っているとやっぱり。  すってーん! と滑る音が聞こえてくる。    こんなことをするのはキミしかいないだろう!  僕は転んで尻餅をついているキミに声を掛ける。 「お姉さん、大丈夫ですか?」  キミは恥ずかしいのか下を向いたまま起き上がろうとしない。 「雪が好きなのはわかったけど、そのまま座りっぱなしだとお尻がビショビショになっちゃうよ?」  と声を掛け、キミに手を差し出した。 「ありがとうございます」とキミはそう言って、僕の手をそっと掴み立ち上がる。  キミは顔をあげると僕の顔をじっと見つめるから、僕もキミの顔をじっと見つめ返す。  ああ、会いたかったよ。  この手でキミに触れたかったよ、朝陽。
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