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過去の思い出 ~僕と絵~
(星夜side. )
僕は病弱であまり動けないから……絵を描き、その絵に詩や物語をつくるのが趣味になっていた。
あと歌うことも同じくらい好きだった。
家で描くのが飽きたから外に行っていつもの景色を捉えて、少し違った世界を創り出すのがその時の楽しみになっていた。
僕はアナログとデジタルと両方の描き方をする。
どちらかの時だけもあるけど、基本はアナログで地塗りをしたものにデジタル作画をすることが多い。
なぜそういう作画をするかというと、紙のボコボコした感じとか色むらとかポスターカラーの匂いとかが好きだから。
でもアナログ描きでは家の中でしか作画が出来ないので、描き込みはパソコンやタブレットを使って外で描くことにしている。
デジタルでしかできない表現もあるから。
最後に作画が終わったら詩や物語を書く。
その時に浮かんだ世界を文字で紡いでいく。
それに歌を思いっきり歌いたいから大自然の中に行くのも好きだったりする。
僕は病気で苦しくなると声が出てこなくなる。
なんとなく声を出していると生きているって実感がもてるから声を出したくなる。
僕はここにいるよ!
と自己主張してみたくなる。
そして自分の中にある言葉を声に出してメロディにするととても楽しい!
だから歌うのが好きだった。
そういえば……キミの笑い声が好きだったな。
一際大きな声で大笑いする声、僕にはそんな声が出せなかったから少し羨ましかったよ。
僕は一人の時間が多いから、空を見上げて空が時間や天気で変わりゆく様子を見るのが日課になっていた。
運動はやってはいけないし、他の何かをするにも体力を使うことも難しい。
そんな僕はタブレットを持って出かけることが楽しみの一つになった。
――そんなある時、偶然にもあの場所でキミを見つけたんだ。
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