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 藍華さんの店に着いた。  小石川先生は店の扉を開くなり、 「ウイスキーのロックをください!」  と言ったので、 「あら先生、何も食べずにお酒? しかも水割りじゃなくてロックなんて、何かあったんですか?」  藍華さんは何か察したのか、先生に尋ねた。 「失恋したのです……」 「あら、最近デートしてた女の子とダメになっちゃったんですか? 可哀想に。元気出して、先生」  藍華さんは手際よくウイスキーのロックを作って差し出した。  先生はそれを飲み干すと、 「おかわり! それと、オムライスください!」  先生はお酒の力を借りながらも、元気を取り戻した。  まだ6時過ぎだったので、他の客は来ていなかった。店内は先生のテンションに合わせて明るい曲をガンガンかけていた。  先生は次の発明の構想を楽しそうに話していた。発明の話はわけがわからなかったが、先生が元気ならそれでよかった。 「そういえば、先生は年末年始はどうするんですか?」  僕が尋ねた。 「そうですね、実家に帰って……あ、そうだ実家に何も連絡していませんでした。帰ると言うことは報告しておきましょう」  先生は鞄からスマホを取り出した。 「あっ!」 「どうしたの?」 「七歩さんから電話が!」
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