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「もしかして私って、先生より千里ちゃんより幼稚かも……」  涼くんに中身3歳児と言われていた先生より、私の方が子供かもしれない…… 「そんなこと気にしなくていいじゃないですか、七歩さん。七歩さんは普段はしっかりしているんですし。恋愛面で大人になりたいんだったら、今こうやって私とデートしてるんですから、チャンスなんていくらでもありますって」 「まあ、それはそうですね」 「いっそ思い切って今からラブホでも行きます? 駆け足で大人になれますよー?」  !!!!!!!!!!!!! 「ちょっと! 何言ってるんですか先生ってば!」  私は漫画みたいに腕をブンブン振り回して先生の胸をポカポカと叩いた。 「まあまあそんなに怒らないでくださいよ。七歩さんは行ったことないからご存知ないでしょうけど、結構楽しいところなんですよラブホって。無料でお菓子もらえたりしますし」 「私は先生と違って無料のお菓子に釣られないですから!」  私はまたしてもブンブン腕を振り回して先生の胸をポカポカ叩いた。 「はいはい。ラブホは冗談ですから。安心してください」  先生はブンブン振り回してしていた私の手を受け止めて言った。 「少しずつでいいんですよ。私もこうやって、デートを重ねてのお付き合いをしてみたかったのですから」  先生は私の手を握った。 「手を繋ぐのはどうですか? 嫌じゃないですか?」  「あ、はい……大丈夫です」 「じゃあ、今日はこうして歩きましょう」  先生と恋人になったらどんな風になるのか、想像もつかなかった。だけど、想像つかなくて当たり前だった。私はこんなこと、したこともなかったのだから。  今繋いでいる手が、想像もつかない新しい世界に続いているのだ。
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