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「コンペが楽しみです!」
「う、うん」
「私、今燃えています! 早速取り掛かりたいので詳細を教えてください!」
「おっ、強いねぇ」
「クリエイターは叩かれてからが勝負みたいなところありますから!」
「もしダメでも、神楽には俺がちゃんと話をするから心配しないで欲しいな」
「ありがとうございます……!」
あの様子からして、無実だと訴え続けたところで信じてもらえる確率は絶望的だろう。だから結局クリエイターは実力で納得させるしかない。
「そのコンペなんだけど、ロゴ制作なんだ」
「ロゴなんですね! どんな発注依頼ですか!?」
わくわくして前のめりになる。
とある地方都市のPRキャンペーン用のロゴ制作依頼。たくさんのアイデアを見たいという先方の希望からアンロック社全体で案出しをすることになった、という経緯。
先方の希望や概要をヒアリングするオリエンテーションはすでに済んでおり、私は早速文書を受け取って内容を確認する。なぜキャンペーンを行うのか、どういう内容なのか、ターゲット層は誰なのか、どのような効果を求めるのかなどなどが細かく記されている。
「一度見たら忘れないような、インパクトのあるロゴがいいそうだよ」
「一度見たら、忘れない……」
というと、カラフル? それとも今まで見たことのない形状?
精鋭たちが作成するロゴ案はきっとどの案もインパクトがあり、一度見たら忘れなさそうなものなのだろう。その中でどうやって勝とうか?
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