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「何言ってるんですか!?セクハラしてきたのは部長の方でしょう!? 私はずっと我慢してたんですよ!」
「コンペで自分の案が選ばれるように口添えしてくれと頼んできただろ!」
何言ってるの、この人!
「私がそんなこと言うわけありません!」
「お前程度のアイデアが連続して選ばれるわけないだろ! どうせ他のヤツにも擦り寄ったんだろうが!」
「はぁっ!?」
因縁をつけられ怒りで血が逆流するかと思った。なんとか潔白を証明しようとするが、
「渡瀬ッ! 松村ッ!」
テーブルを蹴り上げられびくっと震える。
「お前らの不倫なんざこの際どうだっていいんだッ! 問題はこの写真が社外にまでばら撒かれたことだッ!」
「え……」
「ようやく過労死の件も落ち着いてきていたのにお前らのせいでまた面倒なことになる!」
セクハラをしてきた上司に罪をなすりつけられ、苦悩の果てに掴んだ勝利に泥を塗られ、挙句会社の信頼を傷つけたなどと責められる。
誰も彼も自己保身ばかりで私の潔白なんて興味ない。
悔しい。悔しい悔しい。悔しくて泣きそう。
高みに登っていける、そう思った時に転がり落ちるのはどうしてなのだろう。
私、神様に嫌われてる?
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