小さな幸せ

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 温かいご飯が出てくることってすごく特別なことだと僕は思う。  生きていくために必要な食事って、すごく簡略化したら栄養さえ取れれば十分。  美味しいかおいしくないかなんて、きっと二の次だ。  でも人は美味しいとか美味しくないとか、そんな二の次なはずのことを重視する。  栄養よりも、美味しさを重視するのだ。  それなら、温かさも重視するべきだと僕は思う。  心も体も、何もかもが暖かくなるような食事。  それがこの冷たい日常には必要なのだと僕は思った。  祖母が握るおにぎりが格別に美味しいように。  母の作るハンバーグが特別なもののように。  誰かが作った温かいご飯は特別で当たり前なのだ。  温かいご(家族との思い出)が出てくることってすごく有難いことだと僕は思った。
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