勘違いの結末

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 そしてセックスもめちゃくちゃ下手。入籍するまでの数日間しかヤッてないけど、それだけで十分実力はわかった。色気がないし前戯も無いに等しいし、小さいし早いし。自分のことしか考えないダメな男の典型で、褒められるところが一つもない。 (それに比べると俊介は最高だったな……今でも思い出すと濡れてきちゃいそう。最低な男ではあるけど、セックスは良かったもの)  考えれば考えるほど、和真って魅力がない。梨沙は、なんだってこんな男とずっと付き合っていたんだろう? と不思議になる。  でもまだ、出世していないだけかもしれない。木藤グループは大きいんだもの、いずれ給料も上がるはず。もう少し気長に待ってみよう。  そんなことを考えていると、テレビから『木藤グループの……』という声が聞こえてきた。何だろう、と画面に目をやるとどこかの豪華なホテルでのパーティーの様子が映っていた。華やかな男女が笑いさざめいている。 (へえ~、木藤グループ百周年か。それがニュースになるなんてやっぱりすごい会社なんだ。政治家や芸能人もいっぱい来てるからか)  麻由は久しぶりに投稿のネタが出来たと思い、和真の名刺を取り出して撮影した。    和真の名前は隠して木藤不動産という会社名だけをトリミングして、#ダーリンは木藤グループ#百周年パーティー#いつか参加したいな とタグを付けて投稿しておいた。
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