お留守番

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 誰もいない部屋。  僕にはとても広く感じた。  テレビ、ソファー、テーブル、時計、カレンダー、お花、時計、さっき言ったか。  あと、ゴミ箱。  僕は一人じゃなかった。  よく見ると、たくさんある。 「ねえ、テーブルさん」  ──喋らないか。でも、いいや。 「テーブルさんは、誰もいない時、いつも、なにをしてるの?」  僕は少し待った。  もしかしたらテーブルさんが教えてくれるかもしれない、と思ったから。  でも、しゃべらない。  テーブルは生き物じゃないからしゃべらないのかな。  そういえば、幼稚園の先生が、ぞうきんで綺麗にお掃除してあげると、テーブルさんがよろこぶって言ってたな。  だから、テーブルさんは生き物だと思う。 「テーブルさん。どうしてしゃべらないの?」  しかたない。時計さんに聞いてみよう。 「ねえ、時計さん。誰もいないときは、なにしてるの?」  なにか、言ってるみたい。  時計さんの近くに耳を近づけたけど、なんて言っているのかさっぱり分からなかった。  チッ、チッって、言ってる。  どういう意味だろう? 「時計さんは、ちゃんと言葉をお勉強してね」  こんどは、ゴミ箱さんに聞いてみよう。 「ねぇ、ゴミ箱さん。誰もいないときは、なにしてるの?」 「そんなの、ゴミを散らかして、また戻す遊びをしてるに決まってんだろが!」  え! 「しゃべった……」
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