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お馬さんごっこ
──また、つまらなくなった。
今度は別の遊びをしたいな。
「ヒロ、次は何して遊びたい? お父さんは、何でもしてやるぞ」
「じゃあ、お馬さんごっこ!」
「よし来た!」
僕は、ゴミ箱父さんをひっくり返し、上に乗った。
丸い椅子みたいで、すごく座りやすかった。
本当に、お馬さんの背中に乗っているみたい。僕は、座ったまま両足を床から離して、ゴミ箱の横を足の裏で挟んだ。
「お馬さん、ぱっか、ぱっか」
「おお、乗って来たな。馬だけに。お馬さん、ぱっか、ぱっか」
ゴミ箱父さんは、お馬さんの鳴き真似や、足音を口で言ってくれた。
ちょっと変だなぁと思ったのは、お馬さんなのに、動かないこと。
ゴミ箱父さんは、いつもしゃべるだけなんだ。
すぐにつまらなくなってしまった。
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