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エピローグ
私が旗艦トリスタンに乗艦して二時間後、オリオン帝国は王子と王女の婚約契約の不履行を理由に停戦合意を破棄し、再度、ペルテウス王国に宣戦布告を行った。
「ミク、行くよ」
「はい、王子殿下」
そして私は、王子ハンスの緑色の王子専用機動兵器Q50の後席に搭乗し旗艦トリスタンを発艦した。同時に全ての空母から合計十万機以上の機動兵器が大気圏突入を行い、首都星全土へ降下を開始した。その一部、王子のQ50を中心とした一万機が首都ロントに降下をし、一気に首都を制圧した。
王子ハンスのQ50は親衛隊機十機と共にルード宮殿の中庭に降下し、八百機の上空待機の機体の援護の元、宮殿全体を掌握した。
私は王子ハンスと共にQ50を降りると、宮殿の謁見の間に向かった。宮殿内を歩くと宮殿の武官や文官、侍女達の全てが、私達に首を垂れている。
謁見の間に入ると、部屋の中央で、半日前に私を見下していた国王ケネスと王女アメリアが膝を付いて私達を待っていた。
王子ハンスはその二人を意に介すことも無く、一段高い王座へ上がり、腰を降ろした。私も少しだけ躊躇ったが、彼に続いて王座に上がり、王子の右横に立って、国王と王女を見下ろした。
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