逃亡、そして

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逃亡、そして

「彼等は三機よ。大丈夫なの?」  その瞬間『ブーン!』という音が操縦席(コックピット)に響いた。 「十年以上眠っていた縮退炉が始動しました。まだ幸運の女神は私達を見捨ててないってことです。行きます」  その瞬間、右腕の超電磁砲が発射され格納庫の天井を吹き飛ばした。 「ミク様、飛びます! 掴まって!」  次の瞬間、私の搭乗した機動兵器(パワードスーツ)が物凄い加速度で飛び上がった。あっという間に下方に見えていたレストランが小さくなっていく。 「お母さん、いえグレイス、私達、行く当てはあるの?」 「はい、惑星オディに……」  そうグレイスが言いかけた時だった。突然、スクリーンに真っ赤な警告が表示される。 「まずいわ。追撃(チェイサー)が……。奴らの方が圧倒的に早い」  突然目の前に機動兵器(パワードスーツ)が現れた。そして他の二機も左右を囲み、私達の機体は両腕を掴まれ身動きが取れなくなってしまった。 『グレイス、そんな古い機体で最新の機動兵器(パワードスーツ)から逃げられる訳ないだろう。諦めるんだ』  無線から聴こえるミュラーの声に、グレイスがガックリと肩を落としている。 「……ミク様……。申し訳ありません……」  私はこれから起こる自分の運命を想像することも出来なかった。
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