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サンデーサイレンス
私はその馬を「強かった」とか「速かった」とかで称賛したくて書いているのではない。
彼は確かに輝かしいタイトルを獲得したが、競馬ファンが居酒屋でよくやる話で「アメリカ競馬史上、最強な馬は?」というテーマになったら、彼の名は出てこない。
競走馬として登録された彼は「サンデーサイレンス」と名付けられた。
名の由来は、キリスト教の多いアメリカで、日曜日に信徒が教会に集まって静寂なひと時を過ごす様を表す。
なぜこの名がつけられたのだろう?
劣環境で育った彼は静寂などとは程遠い、気性の荒い馬だった。
サンデーサイレンスはデビュー戦は2着に敗れるが、2戦目は2着に20メートル以上の差をつけて圧勝で初勝利をあげる。
ただ、デビュー戦をぶっちぎりで勝つという現象はたまにある事なのだ。
なので、この勝利はサンデーサイレンスの評価を変えるというものでは無かった。
だが勝利しレースのレベルが上がってもサンデーサイレンスは連勝街道を突き進む。
そしてようやく、一部の関係者からは
「サンデーサイレンスって強いんじゃないの?」という声が上がり始めた。
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